2018/11/16 17:50

ツアー先行発売という形で発表された完全新曲3曲収録のEPNo/Re:MORSE」。3曲全てスタイルを変え、別地点から中心に向かいDOOM節を形成する一筋縄ではいかない混沌盤。2年半振りとなった新曲達を掘り下げる、ミニ・インタビュー敢行!!


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完全新作だったSTILL CAN'T THE DEADから2年半振りとなった当EP、途中 過去の音源/映像の発売などがしばらく目立ったいましたが、久々の新曲に驚きました。構想は随分と練っていたのでしょうか?


藤田:毎度の事ながら、構想なんていう大それたものは無いんだよね。スタッフと次のリリース・タイミングや、ツアーやイベント等のタイミングを話している中で出てきたものだったね。計画として、いろいろな活動と上手く絡み合い連動性を持ったモノにできるかどうか。チームとしての作戦、そういった意味での構想はあるけど。


古平:話し自体は前からありましたが、EPに向けて具体的にバンドで取り掛かったのは、2ヶ月間ほどだったでしょうかね。


藤田:今回もフレーズや曲構成などほぼ自分が作ってきたものを練り上げていったんだけど、書き溜めてきたものもあれば、毎度のこと行き当たりばったりのフレーズもあるんだよね。毎回、そんな中 俺とPAZZと古平でモガクんだよ。


今回はEPという形の3曲収録ですが、この形態を選んだ狙いは?


藤田:ぶっちゃけ曲作りが間に合わなかった、というのはジョークだけど、作品発表の選択が昔とは違って手段が色々ある時代。制作する側や発売する側、買う側と色々と試行錯誤しながら、今回の3曲入りEPというのが時代のスピードに合うのかなと。DOOMはなかなか曲が溜まらないので、10曲入りアルバムとかだったら世に出るのは2020年超えるだろうね(笑)




さて、その新作EPですが、スタイルの違う3曲が収められています。それぞれの曲について聞かせて下さい。1曲目の“No/Re:MORSE”はハードコア・パンク的な疾走感でありながら、次の展開ではガラッと変えていく強引さにストレートながらDOOM節が滲み出ていますね。


古平:「GO MAD YOURSELFEPに入っていそうな感じですよね。でも最初はテンポも違ったし。


藤田:そうそう、最初はミディアムテンポの曲だったんだけどね、リフを弾きながらスタジオで曲を固めている最中、突然PAZZがテンポ・アップして叩き始めたんだよね(笑)そうしたら思いの外、何か新鮮に感じてしまって、、、忘れていた何かが蘇るような。言葉悪いけど馬鹿っぽさが(笑)すでに聞いた人の感想だと、明るいDISCHARGE!なんていうのもあったな。リフとビートの速いところの絡みがそう聞こえるのかな。


PAZZ:いろいろとリズムを考えているときに、暴走的に攻めてみたらうまくハマったね~。全体的には緩急あるので、最終的にいろんなリズム取り入れてヘンテコリンな曲になったけど(笑)


ヘンテコリンと言えば、続く“WAR DADDY”はこれぞDOOMの真骨頂というべき摩訶不思議な曲ですが、何故かキャッチーに聞こえる部分もあり、ライブで映えそうですね。


藤田:この曲は前作の「STILL CAN'T THE DEAD」に続く世界を描きたくて創った曲だね。


古平:ノリ的には前作最後の曲"NEVER SEEN... THE GOD"のパート2的な感じですよね。


藤田:そうだね、最初は無意識だったけど、そこに繋がっていった曲だね。


PAZZ:リズム的にはいろいろ混乱するけど、キャッチーに関しては“WAR DADDY”の方が展開が分かりやすいし、フジーの歌もメロディ出しているので、そこにキャッチーさを感じる人もいるかも。TVから流れるようなキャッチーさとは違うんだけどね。


古平:"NEVER SEEN... THE GOD"→"WAR DADDY"とライヴで続けて演奏したら面白そうですね。聴いてる側、演奏してる側も疲れそうですが、、、(笑)


藤田:まさに音我苦を象徴するような曲になってしまった事は確かだね。曲の中にサドとマゾが同居している、創っておきながら後悔するような曲、、、だね。


この“WAR DADDY”冒頭のフリージャズ的な側面は、今までのDOOMでは見えていなかった一面かと思います。このパートは即興ですか?


古平:ベースとドラムは即興ですね。ドラム録りの時に弾いた仮テイクをそのまま使ってます。2度とこの通りに弾けません(笑)


PAZZ:この部分は反復するギターリフ以外は、敢えて決め事なしで録ったものだね。


藤田:ギターリフだけは決まっていてね。当たり前のようなイントロにはしたくなかったのもあるので、二人のインスピレーション的なアプローチを求めたら、こんなんなっちゃいましたみたいな。全然違う他のパターンも録ったんだけど、これが一番狂ってるという皆の意見で採用されたんだったかな。


最後の“FREEZE”はインストですが、完全にギターだけの音ですか? ギターのトーンが特徴的で、J MASCISDinosaur Jr.)のギタートーンを想起しました。


藤田:ギターとシンセのサンプリング音を取り込んで出来た曲だね。他のメンバーはこの曲がこうなる事は分からなかっただろうし、ある意味、放置プレイですね(笑)自分の頭の中ではSiouxsie And The BansheesPink Floydをやったら、、、とかイメージはあったのかな。ギターのトーンは長年のいろんな蓄積で今に至るので、誰かを意識したトーンというのはあんまり無いんだよね。BauhausDaniel Ashのギタートーンは個性的で好きだけどね(笑)


古平:気がついたら出来ていた曲ですね(笑)


PAZZ:いつか3人でのバンド・アレンジにも拡げたいね。




今作を引っさげてのツアーも後半戦に突入ですが、初めて行く土地、数年ぶりの土地、さらに東名阪はワンマンと濃いものになりそうですね。


藤田:短いツアーだから千葉、浜松、名古屋、仙台と廻ってもう半分か。大阪は今までワンマンやった覚えがないから初ワンマンなのかな。今年は「KILLING FIELD」と「COMPLICATED MIND」が発売から30年らしくて、、、大げさに記念とか言わないけど、この2作から多めに選曲していますよ。


PAZZ2時間近くのDOOM地獄を味わいたい奇特な方、ファンダンゴにどうぞ(笑)


そして十年振りの岡山、数年振りの福岡と続いて、最後は東京ワンマン。


古平:東京は3月の高円寺百景と一緒にやった時以来だから、9ヶ月振りですね。


藤田:東京のみなさん、お待たせしました。今年のDOOM納めにどうぞ(笑)


ツアーでは新曲も演奏していますよね。予備知識なくDOOMの新曲を体験する機会もなかなか無いと思うので、楽しみにしています!!


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